障がいのある方の中にも、「自分の家を持ちたい」と考える方は一定数いらっしゃいます。
一方で、住宅ローンについては、健康状態や収入面の理由から、不安を感じるケースも少なくありません。
本記事では、団体信用生命保険(団信)の課題や、住宅ローンを検討する際の注意点について整理します。
団信(団体信用生命保険)の課題
住宅ローンでは、多くの場合、団信への加入が前提となります。
団信は、万が一の際に住宅ローン残高が保険で返済される仕組みですが、生命保険の一種であるため、健康状態に関する審査があります。
そのため、既往歴や障がいの内容によっては、加入が難しいケースがあります。
団信に加入できない場合の選択肢
団信に加入できない場合でも、住宅ローンの利用が完全にできなくなるわけではありません。
例えば、「フラット35」は長期固定金利型の住宅ローンであり、団信加入が任意となっています。
そのため、団信に加入しない形での借入も可能です。
金利水準としては、フラット35が年2%台前半〜後半、
一方で変動金利は0%台後半〜0.5%前後と、低い水準にあります。
実際には、金利の低さから多くの方が変動金利を選択しており、全体の約8割が変動金利とされています。
実務で感じたポイント(返済計画の重要性)
銀行員時代に、障がい者手帳をお持ちの方の住宅ローンを担当した経験があります。
その中で強く感じたのは、「返済計画をどれだけ現実的に考えられているか」が非常に重要であるという点です。
住宅ローンの審査では、勤務先や年収、借入状況など、数値で判断できる要素が中心となります。
しかし、実際の生活はそれだけでは測れません。
例えば、同じ年収500万円であっても、
・継続的に貯蓄ができている方
・収入はあるものの貯蓄ができていない方
では、将来的な家計の安定性に大きな差が生じます。
審査上は同じように見えても、返済を続けていく中でその差は表れます。
借入後のリスクも踏まえる
特に団信に加入していない場合、万が一の際にも住宅ローンは残ります。
その結果、家族が返済を引き継ぐ可能性があるため、事前にリスクを理解しておくことが重要です。
まとめ
障がいのある方が住宅ローンを検討する際には、以下の点が重要となります。
・団信の加入可否と代替手段
・金利タイプの違い(変動・固定)
・現実的な返済計画の検討
・家族への影響の整理
住宅ローンは「借りられるかどうか」だけでなく、「無理なく返済を続けられるか」という視点が重要です。
制度や条件を正しく理解したうえで、自身に合った選択をすることが大切です。

