障がいのあるお子様を育てる親御さんにとって、
「20歳になったら障害年金の手続きが必要らしい」
という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
障害年金は、お子様の将来を支える大切な制度の一つです。
しかし、
「何を準備すればいいの?」
「まだ先の話だから大丈夫かな?」
と思われている方も少なくありません。
実際、20歳が近づいてから慌てて情報収集を始めるご家族もいらっしゃいます。
そこで今回は、障害年金の申請を見据えて、親御さんが今から意識しておきたいポイントをまとめました。
目次
- 通院を続けることはとても大切
- 引っ越しや転院は問題ない
- 初診日の病院を把握しておく
- 病歴・就労状況等申立書はとても重要
- 日頃から困りごとを記録しておく
- 通院していない期間があっても諦めない
- 20歳直前になって慌てないために
- まとめ
1.通院を続けることはとても大切
障害年金の申請では、医師の診断書が必要になります。
そのため、
「状態が落ち着いているから」
「薬を飲んでいないから」
という理由で長期間受診をやめてしまうと、後から困ることがあります。
もちろん、受診頻度は医師の判断によります。
しかし障害年金の申請を見据えるのであれば、医療機関とのつながりは大切にしておきたいところです。
また、現在は比較的安定していても、
- 進学
- 就職
- 一人暮らし
など人生の節目で新たな困りごとが現れることもあります。
障害年金のためだけではなく、お子様の将来を見守るという意味でも、医療機関との関係を継続しておくことは大切な選択肢の一つです。
2.引っ越しや転院は問題ない
進学や就職、引っ越しなどで病院が変わることは珍しくありません。
また、
「先生との相性が合わない」
という理由で転院することもあるでしょう。
転院そのものは問題ありません。
大切なのは、
「どこの病院に、いつ頃通っていたのか」
が分かることです。
紹介状やお薬手帳、受診履歴などはできるだけ保管しておくことをおすすめします。
3.初診日の病院を把握しておく
障害年金では「初診日」が重要になります。
知的障がいや発達障がいの場合でも、
- 療育センター
- 小児科
- 児童精神科
- 発達外来
など、最初に受診した医療機関を把握しておくことが大切です。
20歳が近づいてから、
「最初にどこへ行ったか覚えていない」
となるケースも少なくありません。
親御さんが覚えているうちにメモを残しておくと安心です。
4.病歴・就労状況等申立書はとても重要
障害年金というと診断書ばかりに目が向きがちです。
しかし実際には、
「病歴・就労状況等申立書」
という書類も非常に重要になります。
この書類では、
- 子どもの頃の様子
- 学校生活
- 日常生活で困っていること
- 就労状況
などを説明します。
親御さんにとっては当たり前になっていることでも、第三者から見ると大きな支援が必要な場合があります。
そのため、日頃からお子様の困りごとを記録しておくと後々役立ちます。
5.日頃から困りごとを記録しておく
申立書を書くときに意外と多いのが、
「昔のことを思い出せない」
というケースです。
例えば、
- 一人で買い物が難しい
- 金銭管理が苦手
- 人間関係でトラブルが多い
- 予定管理が難しい
- 薬の管理ができない
など、日常生活で困っていることを簡単にメモしておくだけでも大きな助けになります。
普段は当たり前になっていることほど、後から振り返ると忘れてしまいがちです。
6.通院していない期間があっても諦めない
途中で通院していない期間があったとしても、それだけで障害年金を受給できなくなるわけではありません。
例えば、
- 学校生活が落ち着いていた
- 本人が受診を嫌がった
- 必要性を感じなかった
など理由は様々です。
大切なのは、
「なぜ通院が途切れていたのか」
を説明できることです。
もし受診の空白期間がある場合は、早めに医療機関へ相談しておくと安心です。
7.20歳直前になって慌てないために
親御さんからよく聞くのが、
「20歳になってから考えればいいと思っていました」
という言葉です。
しかし実際には、
- 通院歴の確認
- 医療機関との調整
- 診断書の準備
- 日常生活の状況整理
など、事前に準備しておきたいことが少なくありません。
また、障害年金は大切な制度ですが、将来の生活設計を障害年金だけに頼って考えることはおすすめできません。
私自身、これまで金融機関で多くのご家庭のライフプランに携わり、その後は士業事務所で相続実務に従事してきました。
その経験から感じるのは、
「どれか一つの制度だけで将来の安心を確保できるケースは少ない」
ということです。
そのため、
- 障害年金
- 障害者扶養共済制度
- ご家族による預貯金の積立
- 遺言書などの相続対策
を含めて、複数の選択肢を考えておくことが大切です。
親御さんが元気なうちから少しずつ情報を集め、準備を進めていくことが、お子様の将来の安心につながります。
まとめ
障害年金の申請は20歳になってから始まる制度のように見えます。
しかし実際には、
- 通院歴
- 医療機関との関わり
- 日常生活の状況
- 将来の生活設計
など、子どもの頃からの積み重ねが大切になります。
まだ先の話と思わず、今から少しずつ準備を進めておくことが、お子様の将来の安心につながるのではないでしょうか。
そして何より大切なのは、障害年金だけに頼るのではなく、お子様に合った支援や制度を組み合わせながら、長期的な視点で将来を考えていくことです。
※障害年金の受給要件や認定は個別の事情によって異なります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、具体的な申請や受給の可否については社会保険労務士等の専門家へご相談ください。

