障がいのある方の生活を支えるうえで、日々の支援と同じくらい重要なのが「お金」の問題です。
生活費、将来の備え、ご家族の不安。
こうした問題は目に見えにくいものの、暮らしの安心に大きく関わっています。
今回は、障がいのある方の収入の現実と、将来に向けた生活設計の大切さについて考えてみます。
働き方によって収入は大きく変わる
障がいのある方の収入は、働き方によって大きく異なります。
厚生労働省の資料によると、一般企業で働く障がいのある方の平均月額賃金は、
・身体障がいのある方:約23万円
・精神障がいのある方:約13万円
となっており、障がいの種別や就業形態によって差があります。
また、就労継続支援を利用している場合は、
・就労継続支援A型:約8万円前後
・就労継続支援B型:約1万数千円程度
という水準で、一般就労との差はさらに大きくなります。
つまり、「障がいのある方の収入」といっても一括りにはできず、一人ひとり状況が異なるのが現実です。
大切なのは収入額より“設計”
収入が多いか少ないかだけでは、将来の安心は決まりません。
重要なのは、
・今の収入で生活が成り立つのか
・今後どのくらいお金が必要になるのか
・将来不足が出る可能性はあるのか
を整理することです。
銀行で個人のお客様のライフプランに関わってきた経験から感じるのは、
「不安の原因は、お金が足りないことだけではなく、見通しが立っていないこと」にあるということです。
数字を見える化するだけでも、不安は大きく変わります。
将来に向けた備えも必要になる
生活が安定している場合には、将来に向けた備えも考えていく必要があります。
例えば、少額から始められる資産形成として
新NISAやiDeCoがあります。
こうした制度を活用することで、将来のための資産形成が可能になります。
ただし、これらはすべての方に適しているわけではありません。
・生活費に余裕があるか
・将来必要になる資金は確保できているか
・制度を理解したうえで利用できるか
こうした点を確認したうえで、無理のない範囲で考えることが大切です。
制度とお金の両面から支えることが大切
障がいのある方の生活設計には、「お金」だけでなく「制度」の視点も欠かせません。
例えば、
・任意後見契約
・財産管理等委任契約
・遺言書作成
といった制度を活用することで、将来の生活を守る仕組みを整えることができます。
つまり、
・収支を整理する
・将来に備える
・制度で守る
この3つを一体で考えることが重要です。
行政書士とFPの両方の視点で支える
生活設計を考えるとき、
FPの視点では
・収入と支出の整理
・ライフプランの作成
・資産形成の検討
行政書士の視点では
・財産管理
・契約書作成
・将来の制度設計
ができます。
どちらか一方ではなく、両方の視点から支えることで、より現実的なサポートが可能になります。
まとめ
障がいのある方の生活を考えるうえで、お金の問題は避けて通れません。
しかし大切なのは、「平均収入がいくらか」ではなく、
その方に合った生活設計ができているかどうかです。
収入を整理し、将来を見据え、必要な制度を整える。
そうした積み重ねが、ご本人とご家族の安心につながります。
お金と制度の両面から生活を支えること。
それが、これからの障がい福祉サポートに求められる視点だと考えています。

