1. 障がい福祉予算「4倍」が意味する、選別時代の到来
今、障がい福祉業界に大きな転換期が訪れています。 厚生労働省の検討チームでは、制度開始から予算が「4倍」に膨らんだ事実を背景に、2027年度の報酬改定に向けた議論が始まりました。
これまでの「参入すれば安心」というフェーズは終わり、これからは「サービスの質」が厳格に問われる時代になります。ルールを拡大解釈した加算算定や、中身の伴わない事業所は淘汰される――。国からの強いメッセージが、そこには込められています。
2. 福祉現場が抱える「専門性のジレンマ」
データを見れば、現場の苦境は明らかです。 障害福祉職員(常勤)の平均月給は全産業平均より約4万円低く、特に責任の重い「管理者」層の待遇改善が進んでいません。
私は元金融業界の人間として、この現状に強い危機感を持っています。
他人の人生に責任を持つリーダー層が、これほど低い賃金に甘んじている現状は「死活問題」です。専門性が高く、重い法的責任を背負うプロフェッショナルたちが、正当に報われない構造のままでは、業界の持続可能性は失われてしまいます。
3. 「やりがい搾取」に抗うために。私の実体験から
私自身にも、痛切な経験があります。 銀行を退職し、士業事務所に身を置いていた頃、年収は一律300万円でした。 納得して選んだ道でしたが、昇給は年にわずか数千円。毎朝6時台に家を出て、帰宅は22時過ぎ。契約数に比例して事務作業が膨れ上がり、時間外勤務が慢性化していました。
休日も、家族旅行中も、子供を寝かしつけている時でさえ、携帯電話を離すことはできません。 いくら「やりがい」があっても、それだけでは自分や家族の生活を支えきれない。そんな「やりがい搾取」に近い状態では、どんなに高い志があっても、長く続けることは不可能です。
働く人が不幸な状態で、利用者であるお子さんやご家族に「幸せな未来」を提案できるはずがありません。
4. 「正しい準備」こそが、事業所と職員を守る唯一の盾
この厳しい状況を突破する鍵は、派手な経営戦略ではなく、「正しい準備」の積み重ねにあります。
元銀行員として1,000世帯以上のライフプランに寄り添ってきた私が確信しているのは、土台となる準備が疎かなままでは、いざという時に大切なものを守り切れないということです。
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日々の支援記録を1分1秒、正確に残す
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加算の「制度趣旨」を深く理解し、正しく算定する
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「とりあえず」という甘えを捨て、支援の質を追求する
これらを徹底することが、事業所の収益を守り、ひいては職員の処遇改善に繋がる唯一の道です。

