障がい福祉事業を運営する上で、人員基準と同じくらい厳しくチェックされるのが「個別支援計画」の運用です。
「スタッフは全員揃っているから大丈夫」と油断している事業所ほど、実地指導でこの減算を指摘され、多額の返還金が発生するケースが後を絶ちません。
今回は、経営を根底から揺るがす「個別支援計画未作成減算」の仕組みと、陥りやすい落とし穴について解説します。
1. 猶予なし。4ヶ月目からは「売上50%カット」
この減算の最大の特徴は、期間が長引くほどペナルティが急激に重くなることです。人員欠如減算よりも早いスピードで経営が圧迫されます。
| 期間 | 減算割合 | 経営へのインパクト |
| 1ヶ月目〜3ヶ月目 | 30%減算 | 利用者全員の報酬が3割カットされる |
| 4ヶ月目以降 | 50%減算 | 売上が半分に。 事実上の事業継続困難に陥る |
人員欠如(5ヶ月目で50%減)よりも1ヶ月早く「売上半分」のデッドラインがやってきます。
2. 「書類がある」だけでは不十分。求められるのは「プロセス」
実地指導で「未作成」と判定されるのは、単に計画書がファイルに綴じられていないケースだけではありません。以下の「一連の業務プロセス」が適切に行われていない場合、書類が存在していても減算の対象となります。
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アセスメント: サビ管・児発管が本人や家族と直接面談し、ニーズを把握しているか
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計画案の作成: 本人の希望に基づいた目標設定がなされているか
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担当者会議: スタッフ間で支援方針の共有・検討を行っているか
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説明と同意: 本人・家族へ説明し、署名・捺印をもらっているか
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交付: 完成した計画書を本人へ渡しているか
特に「署名・捺印の日付」が計画期間を過ぎていたり、面談記録が残っていない場合は、「プロセスが欠如している」とみなされます。
3. たった一人の「サイン漏れ」が、利用者全員分に波及する
ここがこの減算の最も恐ろしい点です。
「不備があった利用者さんだけ」が減算されるのではなく、事業所の利用者さん全員分の報酬がカットされます。
たった一人の署名もらい忘れや、一回のモニタリング漏れが、施設全体の経営を破壊するトリガーになり得るのです。
4. まとめ:専門家による「運用の棚卸し」を
個別支援計画は、サビ管・児発管の指揮のもと、正しい手順で作成されて初めて「有効」なものとなります。「忙しいから」「後でもらえばいい」という現場の甘えは、経営にとって最大のリスクです。
当事務所では、個別支援計画の運用状況のチェックや、実地指導対策のコンサルティングを行っています。
「今の書式やプロセスで本当に大丈夫か?」と少しでも不安を感じられたら、返還命令を受ける前にぜひ一度ご相談ください。

