「うちの子も、障害者手帳を取ったほうがいいのかな……」
そう迷われたことのある親御さんは、とても多いと思います。 手帳を取得するか考えたとき、まず気になるのが「等級ってどう分かれているの?」、そして「取るとどんなメリットがあるの?」という点ではないでしょうか。
ネットで調べると、お役所の専門用語や細かな基準がたくさん出てきて、読むだけで疲れてしまいますよね。
そこで今回は、知的障がい(療育手帳)や精神障がい(精神障害者保健福祉手帳)を中心に、手帳の「等級の仕組み」と、生活を支えてくれる「リアルなメリット」を、できるだけ分かりやすく整理しました。
1. 障害者手帳の「等級」はどうやって決まる?
障害者手帳は、障がいの種類(身体・知的・精神)によって、名称や等級の考え方が少し異なります。 ここでは、知的障がい・精神障がいについて、ざっくりイメージを見ていきましょう。
精神障害者保健福祉手帳(精神障がい・発達障がいなど)
こちらは法律で「1級〜3級」と定められています。
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1級:日常生活のほぼすべての場面で、常時援助が必要な状態
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2級:日常生活に著しい制限があり、援助が必要な状態
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3級:日常生活や社会生活に一定の制限がある状態
療育手帳(知的障がい)
知的障がいのお子さんが持つ療育手帳は、実は全国一律の基準ではなく、自治体によって区分が異なります。 例えば愛知県では「A判定・B判定」などの区分が用いられています。大まかには次のようなイメージです。
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重度(Aなど):日常生活全般にわたり、継続的な見守りや介助が必要な状態
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中度・軽度(Bなど):身の回りのことはある程度自分でできるものの、学校生活や社会生活で支援が必要な状態
手帳の等級や判定は、お医者さんの診断書や専門機関での面接などをもとに、「どれくらい日常生活で支援が必要か」という観点から総合的に判断されます。
2. 障害者手帳を持つ「3つのリアルなメリット」
「手帳を持つと、どんな良いことがあるの?」 ここが一番気になるところですよね。大きく分けて3つの柱があります。
① 経済的な負担を減らせる(税金・公共料金)
大きなメリットの一つが、お金に関する負担軽減です。
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所得税や住民税の「障害者控除」が受けられることがある(親御さんの税金負担が軽くなるケースも少なくありません)
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携帯電話会社の障害者向け割引プランが利用できる場合がある
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自治体によっては、水道料金などの減免制度がある
② お出かけや移動がしやすくなる(交通・施設利用)
移動や外出の負担を軽くし、社会とつながりやすくする制度もあります。
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JR、バス、タクシー、飛行機などの公共交通機関の割引
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美術館、映画館、一部テーマパーク等での入場料割引
※なお、内容は地域や等級によって異なり、付き添いの方(介護者)も一緒に割引対象になる場合があります。
③ 将来の自立や働くことを支える制度につながる
将来、お子さんが大人になってからの選択肢を広げる強力な後ろ盾になります。
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障害者雇用枠での就職:一般雇用だけでなく、障害者雇用枠で働くという選択肢も広がります。配慮事項を事前に相談・理解してもらいながら働ける環境につながりやすいのが特徴です。
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各種福祉サービスの利用:将来、グループホームに入所したり福祉サービスを利用したりする際に、手帳の提示が必要になる制度もあります。
3. 等級によって受けられるメリットは変わる?
結論からいうと、等級によって利用できる制度や範囲が異なります。
例えば、
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重度区分では介護者(親御さんなど)も交通割引の対象になる
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税の優遇や自動車関係の制度で対象条件が変わる
ということがあります。
ただし、「軽度なら意味がない」ということでは決してありません。 3級や軽度区分であっても、税金の控除や各種割引、何より「障害者雇用枠での就職」など、将来の自立に直結する制度につながる大きなメリットがあります。
「将来の選択肢を増やすお守り」という意味では、手帳を持つ価値は決して小さくありません。
おわりに
障害者手帳を取得するかどうかに、正解はありません。ご本人やご家族の考え方、生活環境によって選択はさまざまです。
ただ、「手帳を取ると将来不利になるのでは…」「周囲に知られてしまうのでは…」と心配される方もいますが、手帳を取得したことで戸籍に記載されたり、一般的な生活の中で大きな不利益が生じたりするものではありません。むしろ、医療費助成や税の軽減、各種福祉サービスなど、利用できる支援の幅が広がることもあります。
不安やイメージだけで判断するのではなく、「どんな支援が使えるようになるのか」を知ったうえで、ご家族に合った選択をしていただけたらと思います。
「今はまだ様子を見たい」という考えも、もちろん大切な一つの選択です。手帳は必要になったタイミングでいつでも申請することができます。
ただ、制度を知っているだけでも、「こういう選択肢があるんだ」と少し気持ちが軽くなることがあります。 親なき後対策は、お金を遺すことだけではありません。使える制度を知り、将来の選択肢を増やしておくことも、大切な備えの一つです。
「うちの子の場合はどうなんだろう?」と迷われたときは、一人で抱え込まず、ぜひ一度お気軽にご相談ください。ご家族の形に合わせたこれからの備えを、一緒に考えていきましょう。

